2012年11月15日木曜日

現代妖怪見聞録「くねくね」と「テケテケ」


まるで骨や関節がないように、全身を異常に揺らす妖怪「くねくね」が登場したのは、2000年ごろと言われています。「くねくねと動く白い変なモノを見た」とか、「とても人間とは思えない動き」と言う目撃談が、ネットに投稿されたのです。それからたちまち、現代妖怪の地位を確立した「くねくね」。出現するのは夏が多く、場所は水田や河原などの水辺に集中しているそうです。基本的にはヒトの形をしており、目撃者の中には「白い服を着た人が踊っている」と思った者もいましたが、その動きはとにかく普通ではないのです。しかも都市伝説では、じっと見つめていると正気を失ってしまうなんて怖いお話にまで発展しています。

 

その正体には、様々な説があります。真夏の出現が多いことから、蜃気楼や熱中症ではないかとか、自分の分身「ドッペルゲンガー」だと言う人もいます。あるいは、民族的な土着信仰の神さま説。諸説語られていても、正体は今だに不明のまま、その不思議な姿が語り継がれていく現代の妖怪なのです。

 

一方の「テケテケ」には、それが誕生した事件が語られています。北海道(または東北地方)の真冬のある日、ひとりの女性が電車に轢かれてしまいます。彼女はなんと、体の上と下が別れてしまいますが、すぐには亡くならず両肘をついて動いたと言うのです。この肘がアスファルトを叩く音から、「テケテケ」という名前になったそうです。つまりテケテケは上半身だけの妖怪で、とくに小学生の間で広く語り継がれ、やがて居場所が学校の理科室になりました。そして大きなハサミを持ち、口は耳元まで裂け、物凄いスピードで空間を飛ぶという恐ろしい妖怪へと進化していくのです。学校の幽霊なので校舎の外には出られないとか、一度スピードに乗ると曲がれないとか。テケテケに遭遇したときの対処法も生まれております。ただし、現在も進化中の妖怪なので安心はできないようですよ。

 

現代の民間伝承である都市伝説から生まれた妖怪たち。いにしえの時代のそれが今に残るように、未来の日本人に「くねくね」や「テケテケ」のお話を語り継ぎたいですね。

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