2014年5月3日土曜日

危険な都市伝説「キーホルダーのプレゼント」


テキサス州ハリス群に住む男性Nさんは、ジャズが大好きでした。自宅はもちろん、ドライブでも最高の音質を楽しみたいと、とても高性能なカーオーディオを装備していました。ただし車は中古で、しかも10年以上乗り続ける古い車種です。ある休日の朝、お気に入りの曲でドライブを楽しもうと車に乗り込んだところで、彼は信じられない光景を目にします。車内からオーディオと自慢のスピーカーが消えていたのです。慌てて警察に通報。

「こんな古い車が高級オーディオ・システムを装備しているなんて、外から見ただけでは分からないと思うんですけど…」。

すると警官は、Nさんにこう尋ねます。

「もしかして、ガソリンスタンドか大型店の駐車場でキーホルダーを貰いませんでしたか?」

Nさんには心当たりがありました。警官の説明によると、そのキーホルダーにはGPS機能が付いており、それを彼にプレゼントした男性は車の部品を「調達」する犯罪組織の人間だとか。Nさんは男性にオーディオ・システムの自慢話までしてしまい、しかも貰ったキーホルダーはお洒落なデザインで作りも良く、高級感満載でした。

「GPSであなたの車はフォローされていたのです。オーディオだけで幸運でしたよ。キーホルダーを受け取った人の中には、家に入られ命まで取られた人もいるのですから」

警官の言葉に、Nさんは思わず身震いしました。

 
2008年からアメリカ国内で流布し始めた、比較的新しい都市伝説です。実はこの年、大手のガソリンスタンドチェーン店が、給油した人にキーホルダーをプレゼントするキャンペーンをおこないました。最初は好評でしたが、長続きしなかった原因はこの都市伝説だと言われております。もちろん、あくまで都市伝説であり、実際に上記のような事件が起きた記録はありません。ただ、会社は公式サイトで懸命に否定するも「余計に怪しい」と思われ、さらに犯罪組織との関係まで疑われたそうですよ。

 
一度ウワサのラインに乗り拡散し始めたら、もう誰にも止められない…これが、都市伝説の凄さですね。