アメリカでは、こんな都市伝説が語られています。ロサンゼルスに住む10代後半の女性は、夏休みの間、毎日海岸へ遊びに行っていました。新学期が始まるころ、彼女は体調を崩します。体がだるく、食事もあまり喉を通らず、食べてもすぐに出してしまいます。その様子を見た両親は、夏休み中の、いわゆる「若さの勢い」が招いた事態ではないかと心配しました。しかし女性は、「親に言えない事は絶対していない」と強く否定します。実際、病院で受けた検査でもそれらしき兆候はありませんでした。ただ、月を重ねるごとに女性のお腹が膨れていきます。そこでレントゲン検査してみると、女性の子宮に大きな腫瘍のようなモノが写りました。すぐに、摘出手術です。そこで、医師たちは我が目を疑いました。腫瘍のように見えたのは、かなり大きなタコだったのです。
海を漂っていたタコの卵が、女性の体の中に入り成長したというこの都市伝説。日本で語られる「フジツボびっしり」によく似ています。アメリカの「海とタコと女性」は、1934年に誕生し西海岸で広く語られていたお話が、1948年に発刊された本に掲載されたちまち全国に広がりました。ただこのお話は、海で泳いでいた女性の口からタコの卵が入り、腸で成長する内容でしたが、これでは胃液で消化されてしまうと思われたようですね。そこで、「別の部分」から入るお話に派生したようです。
それにしても、人間の子宮でタコの赤ちゃんが成長するかなぁ…と考えれば、膝のお皿でフジツボが広がる日本の都市伝説の方が現実味ありますね。いずれにせよ、都市伝説独特の不気味さを味わえるお話ではあります。