肌の色、目の色、それに時代や文化の違いを問わず、ヒトは予言に惹かれますね。街角の占い師の言葉でさえ信じてしまうほどですから、それが聖書に書かれた予言となれば尚の事です。新約聖書の「ヨハネの黙示録」には、例えば第8章に「苦よもぎ」という名の燃える大きな星が天から落ちてきて、地上の水が消え多くの人が亡くなると記されています。この「苦よもぎ」がロシア語ではチェルノブイリになるそうで、あの大事故を予言したと言われます。また、世界の終末には10本の角と7つの頭を持つ巨大な生き物が海から出現し、人類を滅亡させると記され、これが核兵器による最終戦争、いわゆる「ハルマゲドン」なのだそうです。都市伝説的には興味深いお話ですが、聖書を研究している学識者たちの見解によれば、ヨハネの黙示録に記された予言は現代の事ではありません。
まず、「ヨハネの黙示録」とはどのような文書なのでしょうか。これは一世紀末のころ、小アジアの西海岸に住むヨハネと名乗る人物が、自分の見た夢を記した文書だと言われます。この「ヨハネ」が、キリストの使徒ヨハネとは別の人物である事は、黙示録が書かれた時代の検証により明らかにされています。さらに、黙示録のヨハネが何者かは、エーゲ海の島にいたらしいという事以外まったく正体不明。つまりヨハネの黙示録とは、正体不明の人物が「わたしはこんな夢を見ました」と記した文書なのです。
当時のローマ帝国では、皇帝が神でした。イエスを絶対神とするキリスト教徒の立場は、想像に難くありませんね。ヨハネの黙示録に記された様々な予言は、こうしたキリスト教徒たちを励ますモノであり、「終末」とは、ローマ帝国の終りを示していたそうですよ。ある意味、かなり怪しげな文書であったにも関わらず、聖書の正典とされた原因がここにあると考える研究家も少なくありません。
「苦よもぎ」はチェルノブイリではないし、ましてや、海から出現する「666」と暗示された巨大な生き物がハルマゲドンを招くというお話は、完全な都市伝説なのです。
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