UFO関連の記事を書くために資料を調べるとき、いつも感じる疑問があります。「なぜ、アメリカなのか?」。様々な情報のほとんどの発信元が、世界中のたった一国なのは、実に不思議です。イギリスからも情報は出ますが、その規模はアメリカの比ではありませんね。ほかのヨーロッパ諸国や南半球の国々、ましてやアジアの国で、アブダクションとかキャトルミューティレーションの情報を得る事は極めて困難です。「陰謀論」の実態を知るカギは、どうやらこの辺りにあるようです。
近年、アメリカ国防省が軍事需要として注文する国内の企業は、約2万2000社あるそうです。さらにその下請け企業は約1万2000社、その会社に融資する数多くの金融機関、商品開発に携わる各種のシンクタンクなど。こうした軍事産業の利益で繋がる集団を、「軍産複合体」といいます。つまり、アメリカ国防省を頂点とする巨大な産業組織で、1960年代の東西冷戦時代に一気に拡大し、現在はアメリカという国の根幹を形成していると言われます。軍の計画やプロジェクトは、軍産複合体に多大な利益をもたらすワケで、外部の者たちに知られ事前に公表される事は、利益の消失に繋がるのです。これを何としても阻止すべく登場させたのが、「陰謀論」なのです。
1980年代、「地上円盤観測機構」という研究団体の代表者が、政府のUFO関連の文書を詳しく調べました。その結果、UFOの目撃は軍の基地や実験場の近くが多いこと、また、アメリカでUFO事件が多発するのは、政府が外交で苦労している時期と重なる事実を突き止めました。代表者は、政府や軍が国民の関心をそらす目的でUFO事件を仕組んでいると考え、その出現に歓喜するUFOマニアにこんな言葉を送っています。「何もないところでは、何も起きるはずがない」。こうした、いわば「知識の高い研究家」の動きに対しては、軍もそれなりに反応します。別の団体の代表者が軍の通信を傍受しているのに気付き、意図的に嘘の情報を電波に乗せました。それも、膨大な数の情報を。結果、代表者の言葉はほかの研究家たちに信用されなくなり、酷く落ち込んだ彼は自ら人生の幕を降ろしたそうです。
21世紀の現在。世界のあちこちで「UFOを見た」という報告は絶えませんが、陰謀論はすっかり過去のお話になりました。これは、アメリカに匹敵する軍事大国がない事に関係するのかもしれません。しかしロズウェル事件以後、一般の人々がその目と耳で確認した数多くの情報のすべてが、陰謀論による偽物だったとは限りません。ほんの僅かでも、「真実」が存在するかもしれない…UFO研究家たちは、それを探し続けているのです。例えグレイが陰謀論により作り出されたエイリアンであったとしても、別の姿の地球外知的生命体と彼らの宇宙船が、今も地球に実在すると信じる気持ちが、真実の「エイリアン存在説」を証明するかもしれないのです。
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