2014年4月14日月曜日

探せば出逢える幽霊


そんな幽霊いるの? とお考えでしょうか。ヘンリー・アドルフ、イゴール・ゴーゴリ…これは、人々の粘り強い探索により発見された幽霊たちの名前です。ほかにも大勢いる(かもしれない)彼らを「幽霊指揮者」といい、クラシック・ファンの間で語り継がれる都市伝説です。

幽霊といっても、亡くなった人の霊がステージに現れるというお話ではありません。世の中に実在しない指揮者の名前が記されたクラシックCDがあり、この実在しない指揮者を「幽霊指揮者」と呼ぶのです。冒頭のふたり、いかにもそれっぽい名前だと思いませんか?

 
この都市伝説の元ネタは1996年末、香港のある音楽レーベルのホームページに載った記事です。指揮者でプロデューサーでもあるアルフレッド・ショルツという人物が、オーストラリア放送の放送録音を大量に買い、これに架空の指揮者やオーケストラの名前をつけたそうです。つまり、CD用にレコーディングしたものではなく、テレビやラジオの放送用に録音した音源をCD化し適当なクレジットを入れて売ったという、衝撃的な記事でした。ショルツ氏は独自のレーベルを設立し、この音源を使ったCDを大量に市場へ出したようです。日本でも、書店や露店などで見掛ける1枚1000円程度の格安CDの中に、こうした幽霊指揮者の名前が記載された物があるそうです。

 
ショルツ氏の記事がサイトに載った期間は1週間ほどと短く、今では事実関係を確認することができません。さらに、サイトを見たクラシック・ファンの様々な「見解」が流布したことで完全に都市伝説化しました。しかも、実際にその楽曲を指揮しているのはかなり有名な指揮者であっても、実在しない幽霊指揮者の名前になっていたりして、これがクラシック・ファンの興味を惹きました。現在では、大量に出回る格安CDの中から、ショルツ氏のレーベルを探す「幽霊指揮者探索」が楽しみな人もいるそうですよ。

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