科学者や専門家ではない一般の人々が、地球以外の星に知的生命体がいるかもしれないという「夢と希望」を持ち始めたのは、19世紀末、火星観測により地表に運河らしき形跡が発見されてからでした。まさに「火星夢物語」で、最初の登場人物はエレーヌ・スミスという名の女性霊媒師です。
彼女は交霊により見えた火星の風景を描き、火星人と会話したときの火星語も書き残しました。絵には流れる雲やサボテンのような植物、また、家畜を連れて荒野に立つ火星人が描かれています。さすがにこの絵を信用する人はほとんどいませんでしたが、火星語は今でも貴重な資料とされているそうで、驚きます。
20世紀初頭に起きた火星絡みの騒動が、1938年10月30日、アメリカのラジオ番組が放送した「宇宙戦争」です。火星人が攻撃してくるという内容は、小説を元に製作したドラマであり、ハロウィンのイベントとして放送されました。しかし、具体的な地名を使ったニュースの実況形式があまりにも現実的で、「現在、○○で交戦中」という言葉に全米がパニックになったとか。当時の人々は、本当に空から火星人が攻めて来ると信じたのです。
さて、21世紀になると、今度は「かつて火星に住んでいた」というロシア人の男性が現れます。彼の話では、火星は大災害により地表の空気を失い、火星人は地下で生活しているのだとか。また、自分が火星で暮らしていた時代はおよそ7万年前で、調査目的で地球に来ており、そのとき地球では幻の文明といわれるレムリアが存在したそうですよ。こうした怪しげ(?)な話のほかにも、探査衛星が撮影した地表の写真から、「火星都市伝説」は様々に発展しています。倒木らしきモノとか、動物の足跡、さらに右腕を前に差し出す女性のような姿まで登場しているのです。
2012年8月5日、アメリカ航空宇宙局の火星探査車「キュリオ・シティ」が、ついに表面着陸に成功しましたね。このニュースに、わたしはどれほど胸を弾ませた事でしょう。150年近い歳月の中で語り継がれてきた都市伝説は、これから先、現実としてわたしたちが目撃していくのです。新しい「火星夢物語」の幕開けです。
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